プラスアルファの本棚

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乙一『きみにしか聞こえない』感想|傷ついた心にそっと寄り添う3つの物語

乙一さんの短編集『きみにしか聞こえない』を読みました。静かな筆致で描かれる3つの物語には、それぞれ喪失・孤独・癒しが込められており、読み終えた後には温かくも切ない余韻が残ります。 このブログでは、それぞれの作品の魅力を、私自身の感想を交えて…

【読書感想】横溝正史『八つ墓村』|祟りと血の宿命に挑む、金田一耕助の名推理

横溝正史著「八つ墓村」 こんにちは、プラスアルファの本棚です。 今回は、横溝正史の代表作にして、金田一耕助シリーズでも特に有名な長編ミステリー――**『八つ墓村』**を読みました。 昭和の和製ホラーと本格ミステリが融合した傑作。名前は知っていたけれ…

【無職転生~異世界行ったら本気出す】生まれ変わったら、全力で生きる!人生やり直し系ノベル!

理不尽な孫の手著「無職転生~異世界行ったら本気出す」 人生をやり直したいと思った事はないでしょうか?私はあります。 具体的には、小学生くらいまでさかのぼりたいと常々思っています。もし小学生くらいでやり直せたら、ちゃんと勉強して、友達もたくさん…

【ドヴォルザークに染まるころ】思い出されるのは、苦々しい思い出たち。でもそれも、私という人間を形作る一部。

町田そのこ著【ドヴォルザークに染まるころ】 幼いころの強烈な記憶によって、その後の人生に大きな影響を与えるというのはままある事なのではないでしょうか。 大人になってから振り返ってみると、大した事ではないように思える事でも、少年少女だった時代…

【同士少女よ、敵を撃て】戦場を駆る、女性狙撃手が狙うべき敵とは何か。

逢坂冬馬著【同士少女よ、敵を撃て】 戦争というものは、いつどんな時代に置いても苦しみと悲劇の連続です。特に第一次、第二次大戦のような近代戦争であるなら、更に凄惨を極めると言っていいのかもしれません。 本書『同士少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬著』…

【涼宮ハルヒの劇場】唐突に始まる大冒険。SOS団の運命やいかに。

谷川流著『涼宮ハルヒの』 涼宮ハルヒシリーズと言えば、2021年に刊行された【涼宮ハルヒの直観】が話題になりましたね。9年ぶりの新作という事で、待ち望んだ人も多かったのではないでしょうか。 purasuarufainburogu.hatenablog.com かくいう僕も直感の発…

【私の財産告】平凡人が、巨万の富を築く唯一無二の方法。

本多静六著『私の財産告白』 誰にでも、憶の資産を築く事ができるのだと言ったら、みなさんはどう思いますか? 胡散臭いと思う人もいるでしょう。無理だと突っぱねる人もいるでしょう。 しかし、この世には実際に一億円以上の資産を持っている人が実際にいま…

【君のお金は誰のため】ボスが教えてくれたお金の哲学と美学。

田内学著『君のお金は誰のため』 ― ― ― お金には価値がない。そう言われたら、みなさんならどう思ううだろうか。 僕がこの一文を読んだ時、正直に言って鼻で笑ってしまいました。お金には価値がない、という言葉に賛同できなかったからです。 お金には間違い…

【博士の愛した数式】たった80分しか記憶を保持できない数学者と一組の親子の物語。

小川洋子著『博士の愛した数式』 ― ― ― 一言で表すのなら、チョコレートクッキーの缶の中にあめ玉がひとつ転がり込んでいるようだ、とでも言えばいいのでしょうか。茶色に統一されたクッキー缶に鮮やかなあめ玉が入り込む事で、どことなく華やかさと親近感が…

【マッチングアプリの心理学】顔も声もわからない相手の心を見抜く技術

ミミ・ワインズバーグ著『マッチングアプリの心理学』 昨今、マッチングアプリで出会い、結婚に至るという話はもはやあたり前になりました。 けれど、そこには大きな落とし穴とたくさんの試練が待ち受けています。 本書は、著者のミミ・ワインズバーグ博士自…

【シャーロック・ホームズの凱旋】京都の街を駆けめぐる、ホームズ&ワトソンの冒険譚!

森見登美彦著【シャーロック・ホームズの凱旋】 シャーロック・ホームズといえば、誰もが知る希代の名探偵である。 そう断言してしまってもいいのではないかと僕は思っています。というか、それが世間一般の認識ではないでしょうか。 あまりホームズに馴染み…

【出版禁止 死刑囚の歌】悪意の連鎖が繋がり、悲劇の結末を迎えてしまう。

長江俊和著「出版禁止 死刑囚の歌」 あらすじ 二人の姉弟が殺された。その痛ましい児童殺害事件の犯人として一人のホームレスが逮捕され、死刑に処されることに。しかし、事件はそれで終わりではなかった。それから約二十年後、再び事件が起こる。その背景に…

【ペルソナ】誰にでも、心に闇を抱えている。そう、あなたにも。

中野信子著「ペルソナ」 概要 幼い頃から、他人と違うということに悩んできた。だからこそ、心のありようや脳の機能というものに興味を持つに至った。そう語る中野信子先生。脳科学者としての現在の先生を形作ったものはなんであるか。家族や友人と接する中…

【成瀬は天下を取りにいく】理解されない。そんなことは関係ない。青春は常に行動あるのみ!

宮島未菜著『成瀬は天下を取りにいく』 あらすじ コロナ過を生きる中学生、成瀬あかりは変わり者だった。常にひとりきりでいるのにもかかわらず、それを気にした様子もなく、自分の考えや行動を貫くのに躊躇のない性格で、大半のクラスメイトは彼女を遠巻き…

【父が息子に語る哲学の書】親が子に語り、子が親と語り合う哲学の話。

スコット・ハーショヴィッツ著『父が息子に語る壮大かつ圧倒的に面白い哲学の書』 概要 哲学とは全ての知識の根底にある考え方である。けれど、長い歴史の中でもこれほど軽んじらている学問もないだろう。しかし、哲学を理解すれば、この世の見え方が180度変…

【コーヒーが覚めないうちに】過去は変えられない。それでも、変わるものが必ずある。

川口俊和著『コーヒーが覚めないうちに』 あらすじ 地下に店を構える喫茶店『フニクリフニクラ』。その店にはとあるひとつの噂があった。いわく、その店のある席に座ってコーヒーを飲むと、過去に戻れるらしい。嘘か真か定かではないそんな噂を頼りに、今日…

【スタートライン】未来の自分は、どんな姿をしていますか?

スタートライン 作者:喜多川泰 ディスカヴァー・トゥエンティワン Amazon あらすじ 「夢」を語る時、人は何を語るのだろう。野球選手、作家、アーティスト……世の中には多種多様な「職業」が存在している。しかしそれらは、本当に「夢」と呼んでいいものだろ…

【梅咲きぬ】しゃんと背筋を伸ばして生きること。それが母の教えでした。

山本一力著 梅咲きぬ (文春文庫) あらすじ 江戸老舗料亭「江戸屋」の一人娘玉枝は、幼少の頃より厳しい教育を施されてきた。けれど、玉枝は母・秀弥の背中を見て育った玉枝はあこがれの母の背中に近付くため、必死に日々を送っていた。そんなある日、江戸屋…

【世界史を大きく動かした植物】なぜ、植物は世界に広がったのか、歴史的簡単からその謎を紐解く。

稲垣栄洋著 概要 なぜ、小麦は世界中で栽培されているのだろう。なぜ、米は日本人の主食となったのだろう。トウモロコシはもともとどんな植物だったのか。植物の世界は摩訶不思議がたくさんある。しかし、どの植物もたったひとつ、共通した目的があった。そ…

【薬屋のひとりごと】口の悪い女官が、宮廷で巻き起こる事件の謎を解く宮廷ミステリ

薬屋のひとりごと (ヒーロー文庫) 作者:日向 夏 主婦の友社 Amazon 薬屋のひとりごと 日向夏著 あらすじ きらびやかな花街で暮らす猫猫(マオマオ)は、薬師の娘として貧しいながらも幸せに暮らしていた。けれど、ある日人さらいによってさらわれた猫猫はその…

【海の見える家】亡き父親が残したのは、たくさんの思い出と大きなサーフボードだった。

はらだみずき著『海が見える家』 あらすじ 緒方文哉はとある訃報をきっかけに長年疎遠になっていた父親の家へと足を運んだ。父親が終の住処としたのは、文哉の生まれ育った実家とは別の場所だった。その地で、父親の痕跡をたどりながら、最期の瞬間まで、ど…

【拾われ地蔵】拾った人間の願いを叶えてくれる、不思議なお地蔵様。

松村比呂美著『拾われ地蔵』 あらすじ 拾った者の願いを叶えてくれる木彫りのお地蔵様がある。ある時は母と娘を引き合わせ、ある時は病を治し、ある時は少女の願いを現実のものとする。唐突に目の前に露わあれ、願いを叶えると姿を消す不思議なお地蔵様。し…

【あなたはあなたが使っている言葉でできている】思考と放つ言葉。それを変えるだけで、人生は少しだけいい方向に回り出す。

ゲイリー・ジョン・ビショップ著「あなたはあなたが使っている言葉でできている」 概要 人間は無意識の内に、様々なことを考えいる。そしてその大半は、意識の端にすらのぼることなく消えてくようなこと。けれど、その無意識化の思考を侮り、無視をすること…

【神様の定食屋】人と人とをつなぐ、おいしくてあったかな時間。

中村颯希著「神様の定食屋」 あらすじ 元・プログラマーの高坂哲史は両親の死をきっかけに両親が経営していた定食屋「てしおや」を継ぐことになった。けれど、都会でプログラマーとして働いていた哲史に料理のスキルなど皆無。同じく家業を継ぐことになった…

【戦争は女の顔をしていない】男の視点からの戦争。そして女の視点からの戦争。

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ著『戦争は女の顔をしていない』 概要 これまで、戦争という題材は大抵、男の視点で描かれてきた。どことどこの国が戦い、どんな兵士がいたのか。あらゆる国において、戦争とは男のものだった。けれども、実際に武器を取…

【動物農場】自由と繁栄を求めて、動物たちは反乱を起こした。けれど、その結末は…。

ジョージ・オーウェル著『動物農場』 あらすじ 動物たちは搾取されていた。豚も馬も牛も鶏も。来る日も来る日も続く我慢と労働、そして取り上げられるだけの日々。動物たちはそんな生活と決別するべく、ある日決起する。荘園農場から人間を追い出し、自分た…

【ロウソクの科学】揺れる炎が導く、科学への入口

ファラデー著『ロウソクの科学』 概要 ひとたび火をともせば、そこには様々な科学がある。子供達はその科学の光にうっとりとし、そして魅了される。なぜ、ロウソクの日は美しく燃えるのか。その秘密を科学的に取り扱う事から、すべては始まっていく。 ― ― ― …

【DEATH 死とは何か】イエール大学の人気講師に学ぶ、死への向き合い方。そこから考える、どう生きるべきかという難問。

シェリー・ケーガン著『DEATH 死とは何か イエール大学で23年連続の人気講義』 概要 我々はいつか死ぬ。望むと望まざるとに関わらず、その時は必ずやってくる。だからこそ、我々は向き合い、考えなくてはならない。死と何か、死ぬとはどういうことか。本書を…

【山彦】日本の山々に住まう、漂泊の民の声

ヤマダ マコト著『山彦』 あらすじ 平成の日本に戸籍を持たずに暮らす集団・『ヤツカハギ』地元誌の若手記者、須見宏は彼らを知るため、生活を共にする事に。山々を巡り、祈りを捧げる生活を送るヤツカハギ。その暮らしぶりを知るうちに、須見は漂泊の民を中…

【THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福】幸せとは何か。それは脳内物質!ドーパミン、セロトニン、オキシトシン!

樺沢紫苑著『最新科学から最高の人生をつくる方法 THE THREE HAPPINESS 精神科医が見つけた3つの幸福』 概要 幸福とは何か。その問いを人類は有史以来ずっと問い続けてきました。そして、今その問いに対してひとつの答えが提示されようとしています。そう、…


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