ゲイリー・ジョン・ビショップ著「あなたはあなたが使っている言葉でできている」
概要
人間は無意識の内に、様々なことを考えいる。そしてその大半は、意識の端にすらのぼることなく消えてくようなこと。けれど、その無意識化の思考を侮り、無視をすることはナンセンスであり、先々を見れば人生においてマイナスの側面しか生まないものだ。無意識の思考はふとした瞬間に言葉となり、段々と刷り込まれていく。本書では、そうした無意識に刷り込まれたマイナスをフラットな状態にできるように手助けしていくものだ。
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本書「あなたはあなたが使っている言葉でできている」の感想を一言で表すとするなら、「納得できる精神論」といったところでしょうか。
本書はいわゆる自己啓発本の類に該当すると思います。それも、よくあるタイプの。
本書の書かれていることの大半は過去、どこかで見たようなことがあるものが多いと感じました。
しかし、だからといって過去の賢人たちの焼き直しだ、と批判したいのではありません。
僕が言いたいのは、同じようなことが書かれている、ということはそれだけ、人類共通の重大事だということだということです。
例えば、本書の中には他人に期待したいり、自分に期待したりするから失望が生まれるのだという記載がありました。
例えば、未来への不安を捨てて「ただ、今この瞬間を生きる」のだという記載がありました。
どうでしょう? きっと、この手の本が好きな人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
けれど、世の中の大半の人は頭ではわかっている、理屈としてはそうだと理解していても、実際にそういった煩悩や不安などのストレスを手放すことはできていません。
誰しもが、釈迦やキリスト、老子にはなれないのです。
そして本書が他の自己啓発本と違うのは、そうした「こうした方がよい」というアドバイスを、ではどうやったら実生活に落とし込めるのか、といった部分にまで踏み込んでいることです。
瞑想したり、運動したり、何か小難しい論理を展開したり。そうしたアプローチも大切です。けれど、それを実践できていない人が多いというのもまた事実です。
本書の中には、そうした人でも取り組めるような具体的な行動指針を示してくれています。
特に、僕が好きだと思ったのが「がむしゃらにやる」というテーマでした。
がむしゃらに何かに打ち込むんだ。そう聞いた時、どう思ったでしょうか? 脇目もふらず、時間をかけて成し遂げること。そう思ったのかもしれません。
しかしそれは違うのだと本書では言われていました。アーノルド・シュワルツェネッガー氏のエピソードとともに、がむしゃらになる、ということの本質を押してくれます。
もし、今の自分を変えたいのだと思い悩んでいる人がいたら、本書がその一助になるかもしれません。
よかったら、ぜひお手に取ってみてください。
それでは、また次回お会いしましょう。さようなら。