あらすじ
「夢」を語る時、人は何を語るのだろう。野球選手、作家、アーティスト……世の中には多種多様な「職業」が存在している。しかしそれらは、本当に「夢」と呼んでいいものだろうか。
伊福大祐はひとつの恋をした。きっかけなんてささいなことだったのかもしれない。それでも、そんなささいな恋が、人生を大きく変えるスタートラインになるものだ。はじめは誰もが小さな「夢」を持ち、そしてその「夢」を次第に大きく育てていく。
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何かを成し遂げることは、実はそれほど大げさなことではないのかもしれません。大仰なことを考えなくとも、大きな成果を得られなくても、チャレンジした、という事実そのものが価値を持つこともあると思います。
もちろん、そこに特大の成果が伴えば、喜びはひとしおでしょう。もしかしたら、富と名声がセットで付いてくる可能性もあるかもしれません。
けれど、実際に達成可能かどうかは置いておいて、大事を成すことより、その志こそを大切にして生きるというのもそれだけで立派なものです。
本書の主人公、伊福大祐は当初、人生において目標や夢を持たない平凡な高校生でした。しかし、彼は同級生に恋をします。
そこで彼は、その同級生と自分に対して宣言します。
――世の中を変えるようなことを成し遂げる、と。
実際にそれが可能かどうかは重要ではありません。もちろん成果物が付いてくれば言うことはなしですが。
初志貫徹、という言葉もあります。ただひたすらに考え、ただひたすらに行動していく。
はじめはどうしたら達成可能かなんてわからない。それでも、諦めずに歩みを続けていく。そうすることで漠然とした「夢」や『理想」は具体性のある「目標」「目的」になっていくのではないでしょうか。
当然ですが、そうした「夢」は大半の人が道半ばで諦めます。現実はこんなものだと線を引き、自分と自分の大切な人の幸せのために人生を送る。
それはそれで、素晴らしいことです。
いずれにせよ、未来に向かっているのだと誇りに思えるでしょう。
今現在「夢」を持たない人がいたとしたら、もしかしたらこの一冊が、あなたの人生を変える小さなきっかけになるかもしれなません。
いかがでしたでしょうか? もし興味を持っていただけましたら、ぜひ一読してみてください。
それでは、また次回お会いしましょう。さようなら。