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【君たちはどう生きるか】コペル君とともに考える。生きていくとは何かという問い。

 

吉野源三郎著『君たちはどう生きるか』

 

あらすじ

コペル君こと本田純一君は中学二年生。大人と言うにはいささか以上に早すぎて、けれど子供というにはどこかアンバランス。そんな不確かな思春期のただ中、コペル君はその一年間、思ってもみなかった経験をたくさんします。新しい友達との出会い。約束を違えてしまった事に対する罪悪感。新発見。中学二年生という大事な時間を、大好きな友人や叔父と一緒に過ごし、成長するコペル君の姿を通して、生きていくとは何か。人生とは何かを考える名作。

 

 

まず、なぜコペル君というのか。コペル君には本田純一君という本名があるにも関わらず、です。

 

コペル君という名前の由来は地動説を唱えた事で有名なあのコペルニクスから来ています。彼のように、世間で言う常識や価値観を疑って生きていきなさいという願いを込めて、コペル君の叔父さんが名付けました。それが友人たちの間でも広まり、コペル君という愛称が広まっていったのです。

 

本書は1935年に発行された『日本少国民文庫』という全16巻からなる文集の最後の一冊として執筆されました。僕たちの場合は、漫画版が出たタイミングで知った、という人も多いのではないでしょうか?

 

本書は人生を生きていくとはどういう事か、人と人との繋がりはどういうものか。横暴に対してどういう態度を取るべきか。壊れた友情はいかにして修復するか。そうした事を、コペル君の視点を通して学んでいける、そんな本になっています。

 

一見すると、小難しい哲学書のように思う人もいるかもしれません。しかし、全体としてはコペル君を主人公とした小説のような作りになっていて、難しいという事はありませんでした。発行された時代が昭和なので、少々僕たちの感覚からずれている部分もあるかもしれませんが。

 

本書を通して、作者である吉野源三郎先生が伝えたかった事は主にこれだと僕は思いました。

 

それは、世間で言われているような事だけを鵜呑みにしていては、立派な人間にはなれない、という事です。

 

作中で、コペル君は叔父さんやお母さん、そしてお父さんからも、立派な人間になりなさいと言われています。

 

では、立派な人間とは何か。これは難しい問題ですが、僕なりの考えを述べさせていただくと、どこまでも思考を止めない人間だという事だと思いました。

 

コペル君は、物語の始めから終わりまで、ずっと何かを考えていました。例え世間的に正しい答えでなかったとしても、ひょっとすると未熟さから間違っていたとしても、思考し続けていました。正解不正解を問わず、そうした事が立派な人間になるために必要な事なのだろうと思います。

 

疑う事、答えを見付ける事、謝る事。全て、思考を止めた人間には不可能な事ではないかと思うのです。

 

そうして考え続けている限り、コペル君はきっと叔父さんたちの望んだ〝立派な人間〟になれるだろうと僕は思います。

 

僕も、コペル君たちのように、常に思考を止めずにいたいと思います。

 

それでは、今回はここまでです。また次回お会いしましょう。

 

さよなら。

 


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