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【服従の心理】善意の人を機械に変える恐ろしくも示唆に富んだ心理実験!

スタンレー・ミルグラム著『服従の心理』

 

概要

ミルグラム実験(またはアイヒマン実験)として知られる服従と被服従に関する実験をまとめた本。著者であり、実験者でもあるミルグラム自身の見解とともに、人はなぜ、大勢に従うのか、権威と何かを明らかにするために行われた実験。我々は普段は善良で虫も殺せないような人格でありながら、それが一旦個を離れ、組織の枠組み(大小に関わりなく)に入ってしまえば、それが例えどれほど愚かで非人道的であろうとも、上司や上役の命令に従ってしまう。その理由を突き止めるために、この実験は行われた。

 

 

さて、本書は心理学者であるスタンレー・ミルグラムが行った一連の心理実験(ミルグラム実験またはアイヒマン実験として有名)をまとめたものです。

 

本書は実験者(上役)が被験者(下役)に対して命令し、その命令の結果第三者(本書内では被害者と表現されているが、実際には実験の仕掛け人の一人)に重い電撃を加えるという方法が用いられています。もちろん、実際に被験者は電撃が流れ、被害者が本当に苦しんでいると思い込んでいますので、被験者は被害者に対して電流が流れるたびに、過度なストレスにさらされてしまいます。

 

それでも、被験者は実験者の命令に従って電流を流し続けます。それはなぜか?被験者はみな、心の奥底に悪魔を宿したサディストだという事でしょうか?

 

答えはNO!です。まず前提として、本実験では被験者は無作為に選ばれました。その中には工場労働者からエンジニア、果ては失業者まで様々です。性別や人種も問われていませんでした。参加した理由も社会的意味合いがあると思った人や心理学の実験がどういうものか体験してみたかったという人、または単純に高い報酬を得るためなど、様々でした。

 

それでも、参加者の約半数以上が実験者の命令に従って、ストレスや葛藤を抱えながら、電流を流し続けました。なぜそんな事をしたのかはそれこそ様々ですが、やはり権威の存在が大きかったという事でしょう(ここで言う権威とはもちろん実験者の事)。

 

本書はそうした実験の様子も面白く興味深いものですが、個人的には本編を読み終わった後もページを閉じず、訳者のあとがきまで読んで欲しいなと思います。

 

それというのも、訳者はこのミルグラム実験を盲目的に受け入れるのではなく、批判的な態度で接しているからです。

 

そうして、本編で知り得た事を念頭に置きつつ、訳者あとがきを読んでいただけると、更に数倍、本書の内容が面白く感じる事ができるのではないかと思います。

 

さて、いかがでしたでしょうか?もし、興味が出たという人がいましたら、下のAmazonのリンクからぜひお手に取ってみてください。

 

 


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