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【書評】女性書店員たちの、熱き戦いの記録。碧野圭「書店ガール」

こんにちはこんばんは。プラスアルファでございます。

 

今回も、読了本のご紹介をさせていただきたいと思います。

 

今回ご紹介するのはこちら。

 

 

碧野圭著『書店ガール』です。

 

書店で働く女性たちのどろどろとした人間関係のリアルと、働く女性の奮闘を描いた作品です。

 

主人公は女性で、女性目線での話が主になってきて、同性同士での嫌がらせやいじめ、はたまた男性を敵視する描写も多数あるため、おそらく男性にはかなりとっつきにくい作品となっていると思います。

 

けれど、女性って怖いな、とか。同じ男性でも「こういう奴いるいる」と思える描写もあるので、決して男性が楽しめないかと言われるとそういうわけでもないかなと個人的には思いますね。

 

あらすじ

書店大手のペガサス書店に努める理子は、四十代独身のアラフォー女。部下の結婚式に呼ばれるが、少し前にそれまで付き合っていた男に振られたばかり。それも、自分よりニ十歳も年下の小娘との間に子供ができてしまった、というのが理由だ。

そんな状態で部下の亜紀の結婚式に出席したものだから素直に祝う気にはなれず、亜紀の結婚式をきっかけにそれまでくすぶっていた火種に火がついてしまった。

亜紀を中心とした派閥と理子を中心とした派閥で対立を深めていくのだが、時を同じくしてペガサス書店一号店が閉店の危機に立たされる。キャリアに汚点を残すことを避けるためか、前店長の野島が本社に移動になってしまった。

閉店間際の終の店長として選ばれたのが理子だった。カリスマ書店員として有名になっていた彼女に嫉妬して、嫌がらせをする男性社員。しかし、自分たちの店の危機とあってはいがみあってばかりもいられない。

理子と亜紀は男たちの嫌がらせを退け、ペガサス書店一号店を存続させるべくありとあらゆる作戦を実行に移していく。

 

何がすごいって理子と亜紀を中心としたペガサス書店の女性メンバーたちの対立構造からの協力関係がすごいんですよ。

前半はやはり、嫉妬とかいじめとかのグロテスクなどろどろとした部分が過剰なまでに描かれていて、男の僕から見たら怖いなあと思ってしまう部分がたくさんあるんですけど。男性を敵視する描写もそこここにあって、最初は「この作者男嫌い?」なんて思ったものです。

 

でも、ちゃんとまともな男性も出てくるので、そこがこの作品のちょっとしたポイントだと思います。

 

理子と亜紀は対立構造を深めていくんですけど、そんなことをしている場合じゃないとなります。それが、ペガサス書店一号店。つまり理子たちが務める書店が閉店になるかも、という問題が持ち上がった時です。

 

さすがにね、そこまでくると感情的な溝は一先ず置いておいておこうってなると思うんですよ。しかも理子は四十代で店長。年齢的にもキャリア的にもペガサス書店の中では古株な方で、ここは理子が先陣を切って一時休戦と協力を持ちかけるのかな?なんて思ったんですけどね。

 

しかし、意外なことに休戦を持ちかけたのは亜紀の方でした。二十七歳と比較的若い部類に入る彼女でしたが、考え方はもしかしたら理子より大人だったのかもしれません。

 

しこりは残ったものの、とりあえずは休戦して店舗存続のために何ができるのかを考えることになりました。

 

書店のみんなで協力して、イベントやフェアを企画したりする様子は何だか胸がぐっと熱くなりましたね。それに、終盤でサイン会を企画した際に予定の入荷数より実際の冊数が少なくて、どうしようと絶望していた時に、理子が颯爽とピンチを切り抜けるシーンはかっこいい!って思いました。さすが店長!

 

この時にどんな裏技を使ったのか、それは本編を読んで欲しいんですが、それまで要所要所で邪魔だったプライドを曲げてピンチを切り抜けた様子は感動でした。

 

前半の対立構造があったからこそ、後半での理子と亜紀の行動が感情論を超えた何かを感じさせて、より胸を熱くさせたのでしょう。

 

そうして、何とかサイン会は成功。売り上げも伸び、これでペガサス書店一号店は無事に守られた、かに思えたのですが…と、ここから先は本編で。

 

とまあこんな感じで、いかがでしたでしょうか?もしまだ読んだことがない、という人がいましたら、ぜひお手に取ってみてください。

 

他にもTwitterなどもやってますので、そちらもぜひ見てみてください。

 

それではまた、次回お会いしましょう


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