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【書評】優しい本と物語のストーリー。村山早紀「桜風堂ものがたり」

こんにちはこんばんは。プラスアルファでございます。

 

今回も、僕が読んでよかった本のご紹介をさせていただきます。

 

今回ご紹介するのはこちら。

 

 

桜風堂ものがたりです。

 

主人公は本と物語を愛する青年、月原一整。ある日、彼の務めていた銀河堂書店で万引き事件が発生してしまいます。犯人は中学生の男の子で、一整はその男の子を捕まえるために追い駆け、大怪我を負わせてしまいます。命に別状はなかったのですが、「万引きくらいで大袈裟だ」「本の一冊くらいでそこまで怖がらせなくてもよかっただろう」と心ないバッシングを受けます。その結果、一整は十年間勤めていた銀河堂書店を去ることになりました。愛する書店と自分が担当していた棚から離れ、一整はひとり、これからのことを考えます。今まで書店員しかしてこなかった、特別な資格もスキルもない自分に果たして何ができるのだろう。そんなことを考えていると、ふとネットで知り合った「桜風堂」の主人のことを思い出しました。焦る必要はないと思った一整は同居人だったオウムを連れて、「桜風堂」を訪ねてみることにしました。

 

というわけで、主人公の月原一整は「桜風堂」へと向かうのですが、この作品、実は僕の大好きな作品でして。

 

好きなポイントとしては、まず物語全体を通して優しい文体です。序盤は結構ハードな展開で、銀河堂書店に寄せられるクレームやバッシングもそのほとんどが無責任なほぼ自己陶酔じみた正義感からの言葉たちでした。少年にも事情があったとはいえ、万引きは犯罪ですし、書店という薄利な商売ではたった一冊でも致命傷になりかねません。それにも関わらず、鋭い言葉の凶器が次々に投げかけられるのですが、しかし銀河堂書店の店員やパートさんたち、そして常連さんたちは一整のひととなりをそれなりに理解しているため、優しい言葉をかけてくれます。一整自身もバッシングが原因、というよりはどちらかというと銀河堂書店に迷惑をかけないために辞職した、といった向きが強いです。無責任かつ浅慮な言葉の暴力とは対照的に、彼を知る人々がかける優しく暖かな言葉の数々。それが、ふわりとした柔らかい文章を通じて読んでいてジンと胸に染みてきました。

 

次の好きなポイントは、日常の中の非日常です。一整は万引き犯の少年を追い駆ける際、足を怪我してしまいます。そのせいで後ろ向きな考えに囚われてしまうのですが、そこで元隣人だった男性と再会します。男性は一整が一緒に旅をすることになるオウムのもともとの飼い主でした。しかしある時、忽然と姿を消してそのまま帰って来なくなってしまったのです。仕方なく一整はオウムを世話しているのですが、夢か現実かオウムの元の飼い主が現れ、軽く会話を交わしてまた去っていきました。果たしてそれは幻だったのか。ともあれ、それから足の痛みは徐々に回復へと向かっていきます。

 

というわけで「桜風堂ものがたり」でした。いかがでしたでしょうか。

 

優しく、暖かくて柔らかな物語でした。これを見て、興味あるな、読んでみたいな、という人がいましたら、ぜひお手に取ってみてください。とても心に染みる、いいお話でした。

 

それでは、今回はここまでにしたいと思います。この動画がよかったらチャンネル登録と高評価をよろしくお願いします。他にもTwitterやブログをやってますので、そちらもぜひ、フォローお待ちしています。

 

それではまた、次回にお会いしましょう。さよなら。


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