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【書評】崖っぷちに立たされたふたりの学生の再起をかけた大勝負!?相沢紗呼「小説の神様」

こんにちは。今回も一冊読み終えましたのでご紹介します。

 

今回ご紹介するのはこちら。

 

 

 

相沢紗呼著「小説の神様」です。

 

 売れない小説家、千谷一夜は父が残した借金を返すため、病気の妹の治療費を稼ぐために小説家として活動をしていた。しかし彼の書く作品は酷評が続き、売上は上がらず増刷もなく…とまさに崖っぷちに立たされ、精神的にも追い詰められていた。

 そんな一夜の通うクラスに転校してきたのは、今をときめくアイドル作家の小余綾詩凪(こゆるぎ しいな)。

「わたしには、小説の神様が見えるから―」

 小説を愛し、物語を愛し、そこに人を救う力があると信じる詩凪とは対照的に、熟れなければ意味がないと主張する一夜。

 全く正反対の考え方を持つふたりが協力し、反発し、そしてひとつの物語を編んでいく、そんなお話。

 

というわけで「小説の神様」です。こちら、2020年本屋大賞ノミネート作の「mudium 霊媒探偵城塚翡翠」と同作家の相沢紗呼先生の作品です。

 

2016年6月21日に刊行され、佐藤大樹さん&橋本環奈さん主演で実写映画化も決定しました。

 

作品の内容は、精神的に追い詰められた崖っぷちの高校生作家と物語を書けなくった美少女作家が二人三脚でひとつの作品を作っていこうとします。

 

SNSへの誹謗中傷の書き込みを受け、その悪意に晒され続けたふたりはともに物語に対して一種の恐怖心を植え付けられてしまいます。

 

しかし、一夜と詩凪は全くの正反対な考え方を持っています。一夜は売れなければ意味がない、まず何を置いても売り上げを優先するべきだと主張し、詩凪は物語は力であり、誰かを救い、愛を届ける事ができるのだと主張します。

 

現実に飲まれそうになってしまっていた一夜と、悪意や嫉妬心を一心に受け、恐怖の中にいても自分の信念と物語を信じる心を忘れなかった詩凪。ふたりの対比がストーリーに厚みを持たせています。

 

また、本作は一夜の一人称視点で語られるので、おそらく最初の内は夢見がちな少女として詩凪は映るでしょう。そして詩凪を疎ましく思いながら、一夜に感情移入して読めたのなら、おそらく作者の思惑にはまっています。

 

しかし終盤、詩凪の秘密を知った一夜は彼女とともに物語を作る決心をします。ここまで紆余曲折はありましたが、ようやくふたりが手を取り合って目標に向かう事ができるのだなと安心しました。

 

けれども、ここで再び現実が立ちはだかります。

 

物語を愛するとはどういうことなのか。売上が全てか、それともそれ以外の部分が重要なのか。

 

このお話を読んで、自分にとって大切なものは何か。それを考えてみてください。

 

それでは、今回はここまでにしたいと思います。また次回お会いしましょう。

 


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