こんにちは。今回も一冊読み終えましたのでご紹介します。
今回ご紹介するのはこちら。
トネ・コーケン著。イラスト博。「スーパーカブ」です。
山梨県に暮らす女子高生の小熊は親なし趣味なし友達なしのないないの少女。毎月の奨学金でつつましやかに暮らす彼女はある日、一台の中古のカブと出会う。
最初は苦労していたカブの扱いに段々と慣れてきて、小熊はそのカブとともにあちこちへと旅をするようになった。
というわけで、「スーパーカブ」です。
具体的にどういうお話かと言いますと、上記の通り小熊がカブに出会い、カブとともにあちこちを走り回るというのがメインの構成になっています。
それまでは趣味と言えばFMラジオを聞くくらいだった小熊。携帯もスマホではなくガラケーで、両親はおらずひとり暮らし。けれどもそれを悲観したり不幸だと嘆いたりするのではなく淡々と日々を送っている小熊の姿はある意味すごく強くも映りますが、たぶん小熊にとっては日常なのでしょう。
そんな日常を送る小熊の学校はバイク通学を認めています。それまで自転車通学をしていた小熊はバイク通学に憧れを抱きました。なぜって?楽そうだから。
学校帰りに行った中古バイク店の中で色々と見ていた小熊でしたが、店主からいわくつきの一台のスーパーカブを渡されます。これこそが、小熊とカブの最初の出会いでした。
一万円で購入したそのカブに乗るために小熊は免許取得の勉強をして、原付に乗れるようになりました。
カブを手に入れてから、小熊の世界は瞬く間に広がっていきました。それまで知らなかったこと、行けなかった場所に行けるようになったのです。
相変わらず淡々としていた小熊だったのですが、それでも外出の回数が増えたり、カブに関する知識を求めて初めてネットに触れたりする場面では、なんだかんだと言っても嬉しいんだろうな、と思ってほっこりします。
そして、カブという相棒ができた小熊にはもうひとり、仲間ができたました。
高身長で長い髪の玲子。彼女もまた、カブに乗りあちこちを旅するカブ好きな少女でした。カブ初心者の小熊と中級者の玲子。小熊はきっと否定するとおもいますが、彼女たちはもはや友達と言っても差し支えないのではないでしょうか?
とまあそんな感じで、淡々としつつもゆったりとしたカブでの旅を追体験できます。さらに、カブの魅力、整備方法や免許の取得方法についても触れられていますので、専門雑誌を読む前にこの作品を読んでみるのもいいのでは?と思います。
とまあそんな感じで、今回はここで筆をおかせていただきます。
また、次回お会いしましょう。