こんにちは。。それでは、一冊読み緒ましたのでご紹介します。
今回ご紹介するのはこちら。
角川文庫より、綾辻行人著「Another エピソードS」です。
夜見山北中学3年3組に降りかかる災厄。毎月1人、クラスメイトか関係者が死亡するこの人知を超えた異常事態の最中の夏休み。
見崎鳴は夜見山を離れ、父親の所有する別荘へと訪れていた。そこで、数ヶ月前に亡くなった男性、賢木晃也と出会う。
死して、記憶を失っていた賢木の遺体を探すため、鳴と賢木は彼が暮らしていた屋敷の中を探索する。そこで、屋敷の秘密と彼がなぜ死んだのか、その真相が明らかになる。
だいたいこんな感じのストーリーです。カバーイラストは前回もご紹介したミステリ「medium 霊媒探偵 城塚翡翠」も担当されているイラストレーター、遠田史帆さんです。
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鳴の儚く、どこか虚ろとした感じがよく表れている美しいタッチだと思います。
さて、舞台は夜見山を離れてとある屋敷。賢木晃也はそこを今は亡き(賢木が死ぬ前に死んでいた)父親から相続し、自宅として使っていました。
父親が残した莫大な遺産を少しづつ使いながら生活するという、現代であくせく働く僕たちにとって非常に羨ましい境遇にいる賢木ですが、そこか世の中よくできているもので、あまり他人との交流がないようです。
つまりは独身。へん!
まあそんなことは置いておいて。
実は鳴と賢木は幽霊になる前に一度、出会っています。その時にも会話を交わしているのですが、しかし幽霊となり混濁した記憶しか持たない賢木は困惑します。
目的もなく、出たり消えたりを繰り返す賢木。もしかしたら、自分の死体を見付けたら今の状態から脱することができるのではないかという希望を抱き、死体探しを始めます。
ですが一向に死体は発見することができず、途方に暮れていたところへ鳴と再会し、そして再びふたりがかりで死体探索を再開するのです。
ラスト付近を知ってから、この部分を思い出すと、鳴の困惑具合がいくばくだったのかを想像しやすいでしょう。とはいえ、ラストから先に読むことはおすすめしません。
そんなこんなで目的を果たす賢木だったのですが、実はその正体は賢木の幽霊…などではなかったことが判明します。
では一体誰だったのか! それは本編で。
そんな感じで、今回はここまで。また次回お会いしましょう。
人は、死んだらどうなるのでしょう――?