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がん患者に朗報!?がん治療に新たな追い風!

 近頃は何かと暗い話題が多いので、今回は明るい話題をお届けしたいと思います。

 2019年10月7日、ノーベル医学生理学賞に「低酸素応答」が受賞する事が決定しました。これはグレッグ・セメンザ氏、ピーター・ラトクリフ氏、ウィリアム・ケーリン氏の三名により発見れたもので、米英が協力して成し遂げた発見としても注目されています。

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 では、一体どんなものなのか、一緒に見ていきましょう。

 

 低酸素応答とは?

 低酸素応答とは、一言で言い表すなら低酸素環境下に恒常性の維持に働く機構です。…これだけ聞いても、何の事だかさっぱりだと思います。安心してください、僕もわかりませんでした。

 噛み砕いて言うと、通常の呼吸が困難になった場合に外部の装置を取り付けて酸素を取り入れる、といった感じでしょうか。人工呼吸器を想像してもらえればわかりやすいと思います。

 細胞が低酸素の状態、つまり十分な酸素を供給できない場合に、通常はヘモグロビンが血管を通って酸素を運ぶ役割を果たしますが、急遽外部通路を作ってそこから酸素や生命維持に必要な栄養素を運んでくる状態の事です。

 この低酸素応答は健常な細胞にも働きますが、健康でない細胞、例えばがん細胞などにも見られる機構です。

 この機構のおかげで、僕たちは緊急時に生命を保つ事ができるわけですが、反対にがん細胞もこの機構を利用して生き延びる事ができるのです。

がん細胞と低酸素応答の関係性。

 がん細胞はいわば健康な細胞が細胞分裂を行う際に生じたコピーミス。要するに劣化版と言えるでしょう。若い内はこのコピーミスはあまり見られませんが、年を取る事にがん細胞が生まれるリスクは大きくなっていきます。

 しかも、若いからといって必ずしも安心できるとは限りません。細胞分裂は一日に何十億回と繰り返されており、莫大な数のコピーミス、つまりがん細胞も生まれています。

 ではなぜ我々はがんにならずに済んでいるのでしょうか?それは、僕たちの体の中にある免疫機能ががん細胞を駆逐しているからです。この免疫機能により、僕たちの体はがんや他の病気から守られています。

 しかし、ではなぜ時折がんと診断される人が出てくるのでしょうか?それは、ひとつには免疫機能の低下が挙げられます。

 免疫機能が低下すると、病気になりやすくなるというのはご存知の人も多いでしょう。ましてや、限りなくゼロに近いともなれば感染症を始めとする多くの病気にかかりやすくなってしまいます。

 だからこそ、睡眠や食事、運動に気を配り、日々健康的に過ごす事が重要になってきます。けれど、そこまで徹底しているにも関わらず病気というのはいつ何時僕たちの肉体を蝕む事になるかわかりません。

 しかし、この低酸素応答の発見によって、医学は更なる前進をしました。

 前述したとおり、低酸素応答は低酸素環境下において自力で人工呼吸器を作り、酸素を取り入れる機構です。

 これは、がん細胞にも当てはまります。増殖を繰り返したがん細胞は次第に古いものが新しいものに埋もれてしまい、低酸素環境下に陥ります。けれども、低酸素応答によってがん細胞にもまた、酸素や栄養素が届けられてしまう事になるのです。これでは、腫瘍は増大する一方です。

 しかし、ならばこの低酸素応答を逆手に取ればいいわけです。低酸素応答によってできた酸素などの迂回路を取り除いてやれば、がん細胞は存在を保つ事ができずに死滅してしまいます。

 こうした理由から、低酸素応答は医学的に多くの注目を集めているわけです!

最後に。

 この発見が全世界に広がれば、がん治療を始めとした多くの病気に苦しんでいる人の医療技術の向上に役立つだろうと思います。抗がん剤を投与される事なく、がん細胞のみをピンポイントで攻撃する事ができれば、苦しい闘病生活ともおさらばできるはずです。というかそうなってくれる事を願います。

 まだまだこの技術が治療に役立ったという話は僕のところには入ってきていませんが、これから先、たくさんの人々がこの発見により救われる事でしょう。


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