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訪れるかもしれない、恐怖すべき未来の暗示

 こんにちは。プラスアルファです。GWも半ばに差し掛かりつつあります。この頃、いかがお過ごしでしょうか?

 はてさて、今回も一冊、ご紹介させていただきたいなと思います。

 今回ご紹介するのは原作LINK先生、漫画宵野コタロー先生「週末のハーレム」です。

 近未来、全世界の男性の99,9%が死滅し、50憶人の女性が生きる世界。コールドスリープから目覚めた水原怜人は恋人の絵理沙と再会できると思っていた。しかし、彼を待ち受けていたのは崩壊した文明と男性の生存者は自分を含めたったの5人という事実。事態を呑み込めない怜人に、彼の担当官周防未来が語る、この世界の実態––。

 近未来、エロティックサスペンス、開幕!!

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  というわけで、ジャンプコミックス+から、週末のハーレムをご紹介いたします。過激な表現が目立つ本作ですが、実は技術の発展と地球環境の疲弊がもたらす、起こり得る恐るべき未来を予見した作品なのではないかとブログ筆者は勝手に密かに思っています。

 

 世界観

 物語の始まりは2040年。科学技術の発展と新エネルギーの開発の成功により、人類は過酷な労働とは無縁の生活を手に入れていた。仕事ととは最早、人生において必ずしも必須とは言えなくなっていた。そんな世界で青年、水原怜人は現行の医学では治療不可能な難病、細胞硬化症(詳細不明。病名から筋ジストロフィーと類似した病気と思われる)が発症。AIによる計算では、5年後に特効薬が開発されるという。その可能性にかけ、怜人はコールドスリープに入ることを決意した。5年後、コールドスリープから目覚めた怜人を待っていたのは、文明の失われた荒廃した世界だった。

 死滅した99.9%の男性

 原因は男性のみを殺す未知のウイルス、Male Killerウイルス(通称MKウイルス)。このウイルスに感染すると、全身の穴という穴から血を吹き出し、絶命に至るのだという。感染源は不明、男性だけに発症する原因も不明、対処法も不明のまま、人類は9割以上の男性を失ってしまった。

 UnitedWomen(UW)

  女性による政治的統率組織。男性人口の大部分を失い、暴走しつつあった世界を鎮圧、まとめようとしている人々。もちろん、すべての構成員は女性。政治、MKウイルスに対抗するワクチン開発など、人類の存亡を一手に担っている。その内情は1枚岩ではなく、多数の派閥が存在し、対立を繰り返し、陰謀を巡らせている。

メイティング

 俗に言う生殖行為のこと。本作品内では非常に重要な位置付けだと思われる。男性が死滅してしまった世界だからだろうか。女性の方が性欲が強く描かれている節がある(もちろん、男の願望も入っているだろうけれど)。子供を産み、育むことは現代以上に価値のある行為とされ、男性と交わった際に赤ちゃんを授かった女性は特別な待遇を受けられるようだ。このことからも、再び人類が反映することをUWをはじめ多くの女性が望んでいることがわかる。

登場人物

水原怜人

本作の主人公。ナンバー2と呼ばれ、男性の滅亡後、2番目にコールドスリープから目覚めた。元医学生で、世界の現状を目の当たりにしてMKウイルスの特効薬を開発するべく苦心を続けている。心優しく穏やかな性格で、何より一途。幼馴染である高橋絵理沙を心から心配している。他にも兄、妹が存在し、3人兄弟の次男。

火野恭司

 細胞硬化症患者で、1番早く目覚めた男。ナンバー1と呼ばれている。お調子者で軽い言動が目立つ。見た目も真面目さとは程遠く、軽薄な雰囲気を持つ。その一方で女好きでコールドスリープから目覚めた後もメイティングに積極的だが、交わった女性とはそれきりではなく、有効な関係を築こうとしているようだ。そのことからも、彼はただの軽薄な女好きのチャラ男ではないことがわかる。

周防未来

 怜人の担当官。UWの職員で、怜人と女性とのメイティングを斡旋する。自身もその豊満な肉体を使って怜人を誘惑しようとしたが失敗。見た目は怜人の幼馴染、絵理沙とよく似ているが別人。

本書を読んでの考察

 時代は近未来の2040年。人類はロボット技術やAIの発達により、安定的に食料、医療、インフラなどを甘受できる世の中になった。この部分に関しては、現在においても十分に納得できるだろう。AIに仕事を奪われるなどと言われて久しいが、ここまでの未来が訪れるのなら、多くの人にとっては願ったりだろうと思われる。

 では、MKウイルスという未知のウイルスについてはどうだろうか。僕は別段不思議とは思わなかった。女性が肉体的に男性より優れている(もちろん、病気への耐性などのことだ)のは周知のことと思う。子供を産めるのは女性だけだし、その観点から言えば、女性だけが生き残り、男性だけが死滅する未知のウイルスの登場は決して的を外れた未来観ではないと思う。ブログ筆者の薄い知識に照らして考えればだが。そのウイルスによって男性はほぼ死滅したため、次の世代へと命をつなぐ行為を行うことが難しくなった。だからこそ、より一層女性の性欲が増すというのも案外うなずける話だろう。人類の頭数が減れば、当然科学者の数も減る。テクノロジーの面で衰退するというのも、あり得る話だ。

 それでなくとも、人間は生まれる前は全員女性的な身体的特徴を持つ。母親の子宮の中で男子としての特徴を獲得するのだから、その過程がなくなるだけでも、女児のみが出生するという展開も考えられる。

 以上のことから、MKウイルスに類似した細菌によるパンデミック、人類がある一時期から女の子しか産めなくなる可能性など。様々な要因が考えられる。不確定な要素の連なりが人類の衰退を起こし、荒廃した世界を作る可能性は十分にあり得ることだ。

 だからこそ、僕はこの作品をただのエロ漫画としてだけ読むのではなく、二人の作者による警告だと受け取った。願わくば、こうした未来が訪れないことを切に願う。(もちろんエロ漫画としても十分だが)。


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