サイコパス…と聞いて、どんな人物像を思い浮かべますか?
あるいは冷徹な微笑をたたえた詐欺師。あるいは残虐非道な連続殺人犯。
確かに、そういった僕たちの日常を脅かす脅威となり得る人々。彼らはわかりやすく【サイコパス】と言えるでしょう。
しかし、ご存知でしょうか?サイコパスと呼ばれる人々が必ずしも冷酷無慈悲な存在ではないことも。むしろ、彼らこそが社会を、そして人類を更なる進化へと導いているのだという事実を。
今回はそんな、サイコパスについて扱った本をご紹介します。
それがこちら。
ケヴィン・ダットン著『サイコパス 秘められた能力』です。
ケヴィン・ダットンはアメリカのケンブリッジ大学教授であり、サイコパス研究の第一人者と言っても過言ではない人物です。
今回ご紹介する本書も、彼の科学的なアプローチと、刑務所や厚生施設に赴き、実際に凶悪犯な知能犯から聞いた話を許に構成されています。この本書を読めば、サイコパスに関する誤解は薄れ、彼らの本当の姿とその能力を切り離して考える一助になる事でしょう。
さて、サイコパスと言えば有名なのは映画『羊たちの沈黙』に登場するハンニバル・レクター医師でしょう。彼は精神科医でありながら凶悪犯という二つの顔を持っています。
実は僕は『羊たちの沈黙』はまだ未視聴なので、近い内にぜひ観てみたいな、と思っているのですが、まあそんなことはおいておいて。
そして反対に、サイコパスの代表的な人物と言えばかの有名なIT企業であるApple社のCEOであるスティーブ・ジョブズです。彼もまたサイコパスと呼ばれる人物であり、自分の製品のためには社員や自分の生活や命すら投げ打った人物だと言われています。
さて、この二人の例からもわかるように、サイコパスと一口に言っても千差万別。僕たち一般人と同じように一人一人に個性があり、個別な能力があります。
ではなぜ、レクター医師は冷たい牢獄に幽閉され、そしてジョブズは自社をあれほど巨大な企業に育て上げ、歴史の人となったのでしょうか?
その違いは様々な要因がありますが、一番はやはり自分の能力の使い方のうまさではないかと思います。というのも、この本の中では、サイコパスは共感性や恐怖心などが著しく欠如しているか、限りなく低いか、というふうに言われています。
つまり危険度や不安などを度外視した行動が可能なわけです。そして、この行動の結果として人を脅かし、陥れる凶悪犯になってしまうのか、それとも大企業のトップになれるのかが決まってくるわけです。
もちろん前者はレクター医師であり、後者はジョブズです。
他を利用し自分の利益を追求したり、他者をうまく丸め込む能力に長けているのがサイコパスの特徴です。
この本の中には、そうしたサイコパス的な特徴やメカニズムをあまりわかり易くはありませんが、語られています。何とか理解して、自分の中に落とし込めれば、僕もあなたもサイコパスとしての一歩を踏み出せるでしょう。
サイコパスの能力は非常に魅力的であり有益だと僕は思いました。
リスクを物ともせず、危険の中に飛び込んでいける力。そうした力を、僕も持ち得たいものです。そしていつか、レクター医師ではなくジョブズのような歴史的な起業家…とまでは言わないまでも、それなりの成功をしたいですね笑。つまりはいいとこどりをしたいわけです。
最後に。サイコパスは天性の悪徳だと思われてる事が多いそうです。しかし、実は後天的にサイコパス性を身に着ける事ができるかもしれない、ということも示唆されていました。
その一例として、僧侶などがサイコパスと非常に近い脳の構造をしているそうです。つまり、僧侶のような修行を積めば、サイコパス的になれるという事ですね。
それでは、今回はここまでにしたいと思います。また、次回お会いしましょう。さよなら。