こんにちはこんばんは。プラスアルファでございます。
今回も一冊読み終えましたのでご紹介を。
今回ご紹介するのはこちら。
西尾維新著『デリバリールーム』です。
戯言シリーズ、物語シリーズで一躍有名になり、その後もヒット作を次々生み出し続けている西尾維新先生。そんな先生の最新単行本。
中学三年生の女の子であり、妊娠六ヶ月の妊婦でもある儘宮宮子が安全で幸せな出産のために『デリバリールーム』へ入室し、そこで待ち受ける一癖も二癖もある四人の妊婦と頭脳バトルを繰り広げる、という内容です。
登場する妊婦は年齢も職業もバラバラ。そして妊娠時期やお腹の大きさもばらつきがあり、それぞれの事情と子供を抱えての参加になります。
頭脳バトルというと殺伐とした雰囲気を想像するかもしれませんが『デリバリールーム』はあくまで妊婦の幸せと子供の安全な出産を第一に考える組織?です。なので、妊婦の体に響くような無理な運動や、もちろん殺し合いなんてさせるはずがありません。
宮子を始め、『デリバリールーム』参加者はみな、個人的な事情を抱えての参加になります。もちろん、全員が我が子と我が身を第一に考えて行動しますので、自分が勝ち残りたいという願いがあります。
しかし同時に、真っ当な社会的規範も持ち合わせていますので、他の妊婦を蹴落として『デリバリールーム』を勝ち抜く、なんてことに胸が痛まないわけではありません。
そう…『デリバリールーム』は勝ち抜き戦。たった一人の勝者のみが安全で幸せな出産を手に入れることができるのです。
参加者はみな、社会的に弱い立場の人たちばかり。いくら社会規範を持っていようと、自分と我が子の方が大事です。
他の妊婦を蹴落として幸せな出産を掴み取りたいと考えも仕方のないことでしょう。
そんなこんなで宮子が参加した『デリバリールーム』。登場人物は全部で五人。
つまり宮子を覗き、四人の妊婦を蹴落としていかなければならないのです。
正直、かなり胸糞の悪い展開になるのでは?と危惧していたのですが、実際にふたを開けてみると表面上はそんなことはなく。
催されるゲームも別段殺伐としたものではなく、割合平和的。…勝ち抜き戦の頭脳バトルという前提がなければ、きっと微笑ましいものとして見れていたでしょう。
そしてそんなこんなで勝者が決定します。その勝者とは…この続きは本編で。
妊婦…と言うと僕は男なので、実際のところはどうなのかわかりません。つわりや生理に関しても、本やネットで調べることはできても実際に体験できるわけではないので、その苦しみや辛さを実感しようがないのが現実です。
なので本書で書かれていることがどれほど現実に即しているのか判断は難しいところですが、これをあくまでただのフィクションとして見た場合、一番感情が動かされたのはDV被害の末に妊娠させられてしまった登場人物です。
今後、彼女が幸せになったのかどうかは想像するしかありませんが、僕は彼女が幸せになって欲しいな、と心から願っています。
そして宮子の図太さというか、肝の据わり方はすごかった。きっと僕以上に度胸がありますよ、あれ。
さすが、いかに中学三年生女子とはいえ、そして事情を抱えているとはいえ母は強し、ということなのでしょうか。
というわけで今回はここまでにしたいと思います。いかがでしたでしょうか?
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それではまた、次回お会いしましょう。さよなら。