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自分を追い込みすぎていませんか?それって本当はあなたのせいではありません。メンタリストDaigo『無理なく限界を突破する心理学』

 自分を責める人っていますよね?仕事に失敗した時、友人とケンカになってしまった時、テレビで流れているニュースを観た時。

 人生において様々な場面で、人は自分を責めて悔やみ、その気持ちが自分の中で膨れ上がってしまいます。時にはうつ病や自殺という形でその責める心が現れてしまうでしょう。

 しかし、そうなる前にひとつ、考えてほしい事があるのです。それは、自分が〝バイアス〟に捕らわれていないか?という事です。

 バイアスとは偏り、という意味を持つ言葉です。何かに偏っている、傾倒している場合、心理的に思い込み、思い悩んでしまう場合に「バイアスにかかっている」という言い方をします。

 さて、今回ご紹介する本は本当は大した事がなくても、バイアスに捕らわれてしまう人のための本です。

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メンタリストDaiGoさんの著書『無理なく限界を突破するための心理学 突破力』。バイアスに捕らわれている人、自分を責め続けている人に対しておすすめしたい一冊です。

 

バイアスとは何か。

 バイアスとは先にも紹介しました通り、一種の思い込みです。しかしこの思い込みは非常に強力で、人類の脳に何千万年という時間をかけてインプットされた脅威のプログラムなのです。

 お話はまだ人類が言葉を獲得する以前の狩猟採集民族として活動していた時代に遡ります。木の実を取ったり獲物を狩る事で日々の糧を得ていた人類はその当時から、バイアスの種を徐々に育てていました。

 それというのも、当時は草むらや暗がりに入ったり、未知の土地に移動したりといった行動はまさに命がけでした。毒性のあるものがあるかもしれない、猛獣に襲われるかもしれない、移動した先で先住民に皆殺しにされるかもしれない。世界は危険であふれていたのです。

 狩猟採集民だったご先祖様たちがここまで考えて行動していたかはわかりませんが、一種の恐怖心のようなものを抱いていたのだろう事は想像に難くありません。現在の僕たちも、真っ暗闇が続く路地裏なんかを見ると、理由もなく怖くなってしまいますよね?だから食料が取れる内は同じ場所に定住していたと言います。

 このようにどんな理由であれ、現状を維持しようとする行動をもたらすバイアスを『現状維持バイアス』と言います。これの罠にハマってしまうと、ブラック企業からいつまで経っても抜け出せない企業戦士ができあがるわけです。

 このように、人はかくもバイアスに弱い生き物なのです。お金は貯金すべきだ、友達は大切にするべきだ、結婚はするべきだ。なぜそうしなければならないのかを考える事なく、バイアスよって物事が決まっていく事も多いかと思います。本当はそうする必要があるのか?と問いたくなるような事も、バイアスによって無意識に、または常識的という文句に引っ張られて、行ってしまう場合もあるでしょう。

 けれども、バイアスとは決して乗り越える事が不可能な魔王のような存在ではありません。その存在を知るだけでも、人はバイアスに対して大きな武器を手にできるのです。

今のままでいいや→現状維持バイアスを知る。

 現状維持バイアスとは、現在の状態を維持したいと思う心理です。

 残業が月に四十五時間を越え、明らかにブラック企業に勤めているとわかっていても、現状から抜け出すのは難しいと考えてしまう。その背景には、収入への不安やローンや奨学金といった借金の返済などがある事でしょう。しかし、どんな理由があるにせよ、あなたが現在の状態をそのまま維持したい、またはするべきだろうと考えているのなら、それは現状維持バイアスにハマっていると言えます。

 それは狩猟採集民であったご先祖様が別の土地に移るのを最後の手段としたように、あなたが別の会社あるいは独立してフリーランスになる事に不安を抱いているからです。

 転職が失敗したらどうしよう、フリーランスになったはいいけど仕事がうまくいかなかったらどうしよう。そんな不安が胸の中をぐるぐると駆け回っているはずです。

 何より怖いのは、そんな現状維持バイアスはあなたの人生をどんどん蝕んでいく事です。もしあなたがブラック企業に勤めているなら、早期の対策をお勧めします。

コイン投げの実験。

 2016年にスティーヴン・レヴィットという人物がコイン投げの実験を行いました。

 これはネット上に架空のコイン投げができるサイトを作り、何らかの悩みを持つ人にコイン投げをしてもらう、という実験です。

 「今仕事を辞めるべきか」「すぐに離婚するべきか」など、人生における大きな意思決定をコインによって決めてもらうのです。

 その後の調査でコイン投げに参加した63%の人たちがコインの裏表によって決定した事を実行に移しました。

 更に、その後の追跡調査ではコイン投げによって意思決定をし、実行した人ほど幸福度が高かったのです。

 つまり、現状維持バイアスを乗り越え、何らかのアクションを起こした人ほど、幸せになれたという事です。

 もしあなたが現状に満足しておらず、幸せだと感じる事ができないのなら、現状を打破するための何らかの行動を起こす事をお勧めします。

お金儲けは何だか卑しい→嫌儲バイアスを知る。

 誰しもお金が欲しいと思っていると思います。僕だってお金が欲しいです。だってお金があればアニメのブルーレイやフィギュアがたくさん買えるし、本だって買いたい放題。そうじゃなくても、旅行に行ったりおいしいご飯を食べたり、お金で得られる幸せは多々あります。それがわかっているからこそ、僕もあなたも、日々働いてお金を得るわけです。

 しかし、世の中にはお金持ちを嫌う習性を持つ人がいます。いわゆるビリオネアを嫌う人は、彼らが得ているお金を何らかの反社会的行動、つまり詐欺や違法行為、またはギャンブルといったもので得ているのだと思いがちです。おそらく、本気でそう思っているわけではないでしょうが、きっといい印象は持っていないだろうと思います。

 これは単なる嫉妬で片づけてしまうのはいかがなものでしょう。お金儲けを嫌う傾向はトレーダーなどの経済の知識を持つ人にも存在します。つまり、お金儲けを嫌う習性は何も経済の素人に限った話ではないのです。

嫌儲バイアスから脱する方法とは。

 嫌儲バイアスから脱する方法。それはお金を稼ぐ事の卑しさに目を向けるのではなく、お金を稼ぐ事でどんなメリットがあるのかに目を向ける事です。

 例えば、企業ならお金を稼ぐ事で自社の商品を更に質のいい物のできますし、個人なら先ほど申し上げた通りアニメのブルーレイが買えたりします。もしもあなたが仕事以外で長期的に収入を得て、フリーランスとして立派に独立できたなら、きっと自由な生活を得る事ができるでしょう。

 こんなふうに、お金を稼ぐ事はいい事なんだよ、全然悪い事じゃないんだよ、と常に自分に言い聞かせ、嫌儲を防ぐしかありません。

 最後に、お金は悪ではありません。お金を稼ごうという思考は至って健全であり、ニュートラルなものです。お金を稼ぐ人をうらやましいと思ったら、その事を思い出して下さい。

最後に。

 いかがでしたでしょうか?他にも、本書の中では様々なバイアスが紹介されています。人はバイアスによって支配さている生き物だという言い方もできます。しかし自分がどんなバイアスに捕らわれているのかを知るだけでも、バイアスから抜け出すきっかけになるものです。

 ぜひ、この本を読んで自分が陥っているバイアスの恐ろしさに気付き、そこから抜け出す糧としていってください。人類がこれまでの時間をかけてインプットしてきたバイアスというプログラムの楔を外す事は容易な事ではありませんが、それでもきっと、その先に明るい未来が待っていると僕は信じています。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。では、また次回お会いしましょう!


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