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悩みから解放され、幸せになりたいと思っているあなたへ。嫌われる勇気、幸せになる勇気を。

 悩みとはシンプルに言ってたった一つだけであるとアドラーはいいます。それは人間関係の悩みです。それさえ克服できれば、あなたの悩みは解決されるでしょう。

 こんなふうに言い切ってしまえば、おそらくは反論があると思います。人生における悩みは多種多様であり、そこには最適解など存在しないという主張もあるでしょう。

 けれど、突き詰めて考えるとお金の悩みも恋愛の悩みも仕事上の悩みも、すべからく人間関係の悩みになるのです。ここからアドラーは悩みとはたった一つであると述べているのです。

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 今回はそんなアドラー心理学をわかりやすくまとめた書、嫌われる勇気と幸せになる勇気の勇気二部作をご紹介したいと思います。

 アドラー心理学の基礎は別の記事で簡単にまとめていますので、そちらを参考にしてください。

purasuarufainburogu.hatenablog.com

 

 

青年と哲人。

 本書は青年と哲人の二人の対話の形を取り、物語形式で進行します。それにより、哲学書や心理学の本、というよりは小説のように楽しく読み進めていく事ができます。

 ある日、青年は哲人の下を訪れ、対談の時間を持ちます。青年には哲人の主張はどこまでも信用ならず、詐欺まがいの宗教的な狂言としか思えませんでした。

 しかし、哲人との議論が深まっていく中で、青年の中で何かが変わります。そんな青年の心境の変化を通して、アドラー心理学を学んでいく、というのが本書のコンセプトになっています。

原因論ではなく目的論で考えよ。

 哲人は言いました。人は例外なく、今この時から変わる事ができる、幸せになる事ができるのだと。その言葉に、やはり青年は反発しました。自分は幸せではないし、世の中の多くの人は幸せを噛み締めながら生きてなどいないと。そこには何らかの原因があるはずだと。その青年の主張に対して、哲人は言いました。「それはあなたがそれを望んだからです」と。

 哲人の返答に驚いた青年は同時に怒りを露わにしました。まさか、自分から進んで不幸になっていると言われるとは思いもしなかったからです。

 しかし哲人は、こう続けます。「目的論で考えなさい」と。目的論とは仮に怒りの感情を抱いた場合にその怒りの感情をなぜ持ったのかを考えるという論です。

 その目的は相手を威圧する事かもしれないし、自分の主張を押し通す事かもしれない。ともかく、何かしらの目的があったから怒りの感情を抱いたのだと考えるのです。

 つまり、不幸だと感じるのは何か原因があるからではなく、何らかの目的があって不幸になるのだという考え方を取るのです。

 転職を考えているがなかなか行動に踏み出せない。なぜなら失敗するのが怖いから…ではなく、どれだけつらくても現状のままでいたいという目的があり、そのために転職で失敗するのが怖いという理由をでっちあげている、という感じに。

 このように考えると何が起こるのかというと、逆転現象が起こります。

 自分の目的がどんなものであるかを自覚する事で、本当に自分はその目的を欲しているのかと考え出すのです。人間は変化を嫌う動物ですが、本当に心の底から変わりたいと願うのなら、変わる事が可能だとアドラーは主張します。

 すなわち、現状がつらいから転職するという目標を掲げる事ができるようになるのです。

トラウマなど存在しない。

 目的論についてはこれでざっくりとお話しできたかと思います。そしてこれは、トラウマを克服する手段としても有効です。

 克服…というと適切ではありませんね。アドラー心理学ではトラウマを否定します。トラウマとはすなわち過去の出来事が尾を引いて、現在の自分に悪い影響を与えていると考えてしまう事です。これは原因論的な考え方です。

 アドラー心理学では、こうした考え方、すなわちトラウマについて全否定しています。

 過去の自分がこうだったから今の自分がある、ではなく、今の自分の状態を正当化するために過去の苦い思い出を引っ張り出してきていると考えるのです。

 もう一度、過去と向き合って、本当にそれに縛られる事がいい事なのかどうかを考えてみましょう。

あなたは誰かの期待を満たすために生きているのではない。

  これは課題の分離の考え方を発展させた論法になるのですが、課題の分離は他者は他者、自分は自分という考え方でした。そして、アドラーはここから更に一歩進んで、〝あなたは誰かの期待を満たすために生きているのではない〟という考え方を提唱しています。言い換えるなら、承認欲求を満たすための生き方は止めましょうという事です。

 人間は誰しもが所属感を得たいと願っています。この所属感を手っ取り早く得る事ができるのが承認欲求を満たす事なのです。SNSでいいねをもらったりフォロワーを増やしたり、誰かから認められるよう努力する事。これらは確かに承認欲求を満たす事ができるでしょう。けれど、そうしたところで得られるのは束の間の快楽だけです。

 更に付け加えるなら、承認欲求とは危ういものなのです。

幸せになる勇気。

「自立」を常に年頭に置いておく。

 「自立」とは経済的に親の支援を必要としなくなる事ではないのだとアドラーは言います。もちろん、それだって立派な自立だとは思いますが、彼が言う自立はもっと内面的な事なのです。

 「わたし」の価値を他人から認めてもらう事はアドラー曰く「依存」になります。そして、「わたし」の価値を「わたし」自身の手で決められる事。これが彼が説く自立となるいうわけです。

 人は「依存」ではなく、「自立」の道を歩まなければならないのだと言います。そうする事で初めて、承認欲求は消え失せるのだと。

最後に。

 いかがでしたでしょうか?「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」をご紹介しました。もしもっと詳しい事が知りたいと思った方は、是非読んでみてください。読んでみるだけでも、心が軽くなると思います。こんな考え方があったんだ、と知る事はすごく大切な事なので。


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