横溝正史著『犬神家の一族』
あらすじ
もじゃもじゃ頭の男、金田一耕助はとある以来によって犬神家の一族が治める那須へとやってきていた。しかし、依頼人は死亡し、思わぬ形で耕助は犬神家の遺言状開封の場に同席する事になる。故・犬神佐兵衛が残した遺言状をきっかけに、一族の憎悪渦巻く奇怪にして恐ろしい事件が幕を開けたのだった。
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犬神家の一族、といえば、真っ逆さまになって池に上半身を突っ込まれているシーンが印象的ですね。本編を知らない、という人も、その場面は何となく知っているという人も多いのではないでしょうか。
さて、今回の犬神家の一族というお話ですが、一言では言い表せないほどの複雑な事情を抱えた一族が登場人物の大半を占めます。
事の発端は犬神家を一代にして巨大財閥に育て上げた犬神佐兵衛の残した遺言状。彼はその遺言状の中で、普通では考えられないような命を下していたのでした。
具体的に何が書かれていたのか、それは実際に読んでいただくか、映像作品を見て頂くとして。確かに、遺言状には僕のような法律の素人から見ても普通ではないと思わせられるような部分がありました。
そして、その遺言状をきっかけとして、三件の凄惨極まる殺人事件が起こったのです。本書を読み進めていく内に、その背後にあるものが段々と見えてきます。その背景がやはり本書の肝ではないだろうかと僕は思うのです。
というのも、本書『犬神家の一族』の中には三人の母親が登場します。それぞれの思惑はありますが、三者とも我が子を強く想っていて、遺産を相続させるためにあれやこれやと策を巡らせていくのでした。
事件が解決へと向かうにつれ、犬神家の謎やその背後にある恐怖するべき殺人の動機などもわかってきますが、それについても僕はやはり恐怖を覚えました。いくら何でもやり過ぎではないのか、と。
というわけで、いかがでしたでしょうか?『犬神家の一族』でした。
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それではまた、次回お会いしましょう。さよなら。