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【書評】氷のような心がお溶けていく、暖かな物語。フランシス・ホジソン・バーネット『秘密の花園』

こんにちはこんばんは。プラスアルファでございます。

 

幼い頃のことを、みなさんはどれだけ覚えていますか?

 

一人でおもちゃで遊んだこと。兄や姉の後をくっ付いて回っていたこと。

 

数人の友達と一緒に秘密の場所で内緒の話で盛り上がったこと。

 

僕は全てに覚えがあります。

 

そして今回ご紹介するのは、そんな幼い日の出来事を思い起こさせてくれる一冊。

 

それがこちら。

 

フランシス・ホジソン・バーネット著『秘密の花園』です。

 

バーネットの代表作としては『秘密の花園』の他に『小公子』や『小公女』などがあります。

 

おすすめな人は

 

・優しく、前向きになれる物語が読みたい。

 

・子供の頃の、わくわくした感じをもう一度味わいたい。

 

・日々に追われ、疲れていつもイライラしている人。

 

です。

 

バーネットはイギリスの児童文学作家で、今回の『秘密の花園』もターゲットは児童…つまり子供向けの小説になっています。

 

ですので、主だった登場人物は全員子供。

 

主人公は十歳の少女メアリ。彼女は元はインドに暮らしていて、両親の死をきっかけに遠縁にあたるクレイヴン氏の屋敷で暮らすことになりました。

 

両親からの、とりわけ母親からの愛情をあまり受けずに育ってしまったメアリはわがままで自分勝手。がりがりに痩せていて病気がちで、いつも不機嫌な女の子でした。

 

しかし、クレイヴン氏のお屋敷、ミセルスウェイト邸にやって来てからは、わがままも鳴りを潜め、活発で素直な明るい女の子へと変わっていったのです。

 

そんなメアリを年相応の可愛らしい子供にした一因は、メアリの初めての友達であるディコンです。彼はメアリと同い年の少年ですが、よくものを知っています。とりわけ植物や動物と仲よくする術をよく心得ているのです。

 

そんなディコンとともに、ミセルスウェイト邸にある荒れた花園を発見したメアリは、その日からその花園を以前の美しい姿に戻そうとディコンとともにせっせと作業を開始します。

 

そんな折、出会ったのが二人目のメアリの友達であるコリンです。

 

コリンは病気で床に伏せったままの少年でした。年はメアリやディコンと同い年で、ミセルスウェイトの主人の実の息子であり、ひどいかんしゃく持ちでした。

 

彼はそれまで、ずっと屋敷の自室に閉じこもった生活をしていて、筋肉はなく、痩せていてわがまま。インドにいた頃のメアリのようでした。

 

メアリはわがまま放題のコリンを叱り付けます。死を恐れる彼に「死なない」といい、コリンを外へ連れ出すのです。

 

そうして、メアリとディコンとともに花園を復活させる、という目標を持ったコリンはその日から、みるみる内に健康な少年のような体つきになっていきます。

 

作中では度々「魔法」という言葉が登場します。例えば木々の芽吹き、成長する様子だったり、メアリやコリンが健康で元気な子供に変わったり。ディコンや彼の母親の優しさや、それを受けた人や動物がよく育つ様子だったり。

 

魔法という言葉は、この本の中では様々な意味を持ちます。自分にとっての魔法とは何か。それを考えながら、ゆっくりと読み進めてみてください。

 

きっと、明日に前向きになれる、そんな一冊だと思います。

 

というわけで、今回はここまで。興味を持っていただけたなら、下のAmazonリンクからぜひ購入して、読んでみてください。

 

それではまた、次回お会いしましょう。さよなら。

秘密の花園(新潮文庫)


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