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【LIFE SPAN】老い。それは治療可能な病気。老化が消えた世界を思い描く本。

こんにちはこんばんは。プラスアルファでございます。

 

みなさんは永遠の命というものに対して、どんな考えを持っていますか?

 

孤独?退屈?おそらく多くの人がそうしたネガティブなイメージを持っていると思います。僕も、僕一人だけが生きるのなら、嫌だなぁと思うでしょう。

 

しかし、人類は歴史の中で不老不死を夢見て、探究してきました。そして、それは自分一人だけの孤独を意味するものではありません。

 

家族、恋人、友人。周りの人や大切な人も一緒に、次の世紀の生き証人になれる可能性が出てきたのです。現実的に、科学的に。

 

今回紹介するのは、そんな未来に胸を膨らませることができる一冊。

 

〈LIFE SPAN『老いなき世界』〉です。

 

著者のビット・A・シンクレアはアメリカはハーバード大学の教授であり、遺伝学の分野で日夜研究を重ねる研究者でもあります。

 

本書〈LIFE SPAN〉はそんなDr.シンクレアが長年の研究に末に、「なぜ人は老化を経験し、最後には死に至るのか」を解き明かし、そこからの脱却法と「不老不死」を獲得した人類がたどる未来の予測、そのためにどんな行動を取るべきかに付いて論じられています。ここでいう「不老不死」とは老いからくる疾患がなくなり、老いによっておこる様々な病気の末に死ぬ、ということがない、という意味です。

 

著者のDr.シンクレアは若い頃、祖母の死を経験していました。彼の子供時代、彼の祖母は高齢だったにも関わらず、自分の足で歩き回り、ハツラツとした生活を送っていたほど、元気な人でした。

 

しかし晩年。彼の祖母はその他の老人と同じように生気がなくなり、苦しみの中で亡くなってしまったのです。このことがきっかけでDr.シンクレアは科学者の道を歩むようになりました。

 

本書を手に取るまでは、僕はこの本のことを一風変わった健康本、というふうに思っていました。けれど、実際には全く違っていたのです。

 

本書の冒頭ははるかな時を遡り、古の時代。まだ生命が生まれたばかりの頃の話から始まりました。単純な原核細胞(細胞核を持たない細胞。この反対が真核細胞と呼ばれている)からスタートし、何億万年という気の遠くなるような長い時間を経て、現在の僕たちの姿になったと言います。

 

前半はこうした、壮大な歴史の話から始まります。もちろんこれは本書を読み進めていく上で大切なことであり、ここを理解することはとても意義のある事です!(もちろん、手っ取り早く健康長寿の秘密を知りたいという人は飛ばしても大丈夫)

 

そして現在の僕たちの体は、過去、まだ僕たちの祖先であるネアンデルタール人やデニソワ人、サピエンスなど、狩猟採集民と呼ばれる人々と比べて、ほとんど進化していません。この辺りは一躍有名になった〈サピエンス全史〉でも書かれています。

 

さて、現代の僕たちは主な心配事の一つとして、多くの場合『肥満』が挙げられるでしょう。僕もそうです。では、なぜ肥満が現代の心配事の大多数を占めているのかと言えば、僕たちの身体が古代の時代からほとんど進化というものをしていないからです。

 

言い換えれば、現代の僕たちの生活に僕たちの身体のシステムが適応できていないということです。古代の狩猟採時代にはいつ食べ物にあり付けるかわかりませんでした。だから、僕たちの身体はその時のまま、摂取した栄養やエネルギーを蓄えるようにできています。

 

つまり、食べる物の質や量は上向きになったのに、体の機能は食べた者を蓄えようとするのです。そりゃあ太るというものです。

 

なんだか話が脱線気味になってきたので、本書のテーマである『老化』に話を戻します。

 

詳しくは本書に書かれていますが、要するに「食べ過ぎている」ことが老化の原因の一つなのです。

 

最初に細胞の話をしましたが、食べ物を食べない、または食べる量を制限する、という行為は僕たちの細胞に対して適度な『ストレス』を与えてくれるのです。

 

ストレス、と聞くとよくないもののように思えるかもしれませんが、実は適度なストレスは僕たちの身体にとってむしろプラスの働きをしてくれます。

 

これを読んでいるあなたも、ダイエット方法を紹介したテレビ番組などで『一日一食ダイエット』などを目にしたことはないでしょうか。実は、あれは科学的に見て理にかなったやり方なのです。または週末断食など。

 

僕たちの細胞は飢餓や危険といったストレス下において、活発に働きます。その結果、細胞レベルで若返り、病気などを遠ざけてくれる、というわけです。

 

他に、細胞にストレスを与える方法としては、軽い運動やサウナなどが挙げられます。こうした自分の体にちょっとしたダメージを与える事が健康でいる事に必要なことなのです。

 

と、ここまでは冒頭から中盤にかけてでした。いかがでしたでしょうか?どうすれば健康でいられるかが少しでも伝わればいいな、と思います。

 

そして本書の後半部分。ここからが、この本の真骨頂だと僕は思っています。

 

というのも、ここから先は未来の話だからです。僕たちが健康で、永遠にも等しい命を手に入れた後の。

 

未来ではあらゆる病気が治療可能な世界がやってきます。移植可能な臓器を待つ患者がドナー不足で命を落とす事もなくなります。

 

その大きな要因はやはり、テクノロジーの進歩です。3Dプリンターの進化により、欠陥臓器を作り出し、それを用いて移植手術を行う事が可能になるからです。

 

それだけではありません。各種ウェアラブルデバイスの発達により、24時間365日いつでも、自分のバイタル情報。つまり健康診断が常に行われるようになるのです。

 

これにより病気の早期発見はもちろん、生活習慣の改善や心拍数なども常時自分で把握、またはかかりつけ医が把握する事ができる時代がやってくるのです。

 

もちろん、未来にはいい事ばかりではありません。特に日本は先行きは暗い話ばかりです。でも、だからこそ、数十年先の未来はすごくよくなるのだと、そこに向けて生きていくのだと、そう思いたいですね。

 

それでは、今回はここまでにしたいと思います。もし、興味がある、という人がいましたら是非読んでみてください。それではまた、次回お会いしましょう。さよなら。

LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界


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