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【書評】ゆっくりと流れていく時間。入間人間『少女妄想中。』

こんにちはこんばんは。プラスアルファでございます。

 

さて、今回も一冊読み終えましたのでご紹介を。

 

今回ご紹介するのはこちら。

 

入間人間先生著『少女妄想中。』です。

 

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』シリーズを始め、ライトノベルの分野で活躍されている人気の作家です。

 

SF(少し不思議)系と女性同士の恋愛を主題にした作品を得意とされていて、僕個人的には青春の中に生じるちょっとした不可思議や常識の枠の外にある苦々しい愛情を描く作家さん、という印象があります。

 

さて、今回の『少女妄想中。』はアスキーメディアワークス文庫から刊行されている小説であり、同社の電撃文庫と比べると多少大人な人をターゲットにしている様子です。

 

アスキーからの刊行作品として有名なのは『ビブリア古書堂の事件手帖』ですね。こちらも最近、新シリーズを始められたのでぜひ読んでみてください。

 

さて、話を戻しまして。

 

本書は全四章から構成されてい留恋愛小説です。前述したとおり、入間人間先生は女性同士の恋愛模様を書かれることが多く、この作品もそんな女性同士の恋愛模様を描いた物になっています。

 

第一章は自分だけにしか見えない幻に引き込まれ、その幻を追い駆けひたすらに走り続ける人のお話でした。

幼い頃から、走っていると現れ、しかし絶対に後ろ姿しか見えなかった彼女。中学生、高校生になると、まるで一緒に成長でもするかのようにその少女も年を重ねていきます。

社会人になり、走ることが少なくなってきた主人公のアオは幻の彼女に会う機会が減り、アオの中で焦りが生じます。どうにかして幻の中の彼女に会いたい。そう思ったアオは再び走り出すのですが…最後には、意外であり、しかしある意味では想定内の展開に、ほっと胸の奥が暖かく、安心するようでした。

 

二章は夢に捕らわれた少女が、夢の中でとある少女と出会う物語です。

彼女は朝目覚め、夜眠る。非常に真っ当な生活サイクルを送っているのですが、しかし自分が夢の中に囚われているのだということを自覚しています。

全ては夢中の幻。故に、どんな行動を取ろうとも、例え学校をサボタージュしようと彼女を叱り付ける輩はいません。

そんな自由で、ある意味退屈な日常の中に現れたもう一人の少女。彼女はそれまでの生活を少しずつ変化させ、そうして少女は夢幻から現実へと戻っていくのでした。

どうして彼女は夢の中にいたのか、その理由はたくさん想像できますが、しかしどれもそれほど当たっている気がしません。いじめ?家庭の不和?それとももっと別の何か?どれも不正解なようで、どこかすっきりしません。それに、彼女を現実に戻したもう一人の少女。彼女は一体誰だったのか、主人公にとってどんな意味があったのか…?

 

三章は高校受験を控えた中学生女子と彼女の叔母にあたる女性とのゆったりとした時間を描いたもの。

何気ない日常を送っている中で叔母のことを気にかける少女。主に、彼女の瞳。

幼い頃、まだ物心つく前のこと。少女は叔母の片目を負傷させていた。

様々な言い訳や理由をでっちあげ、そういう叔母の側にいる少女は、いつしか叔母の言い知れない魅力に引かれていく。

百合、年の差という二つのジャンルを掛け合わせたような内容に、ちょっと困惑しますね。情報量が多いと言うか…高校受験を控えた主人公が叔母の下に通うのはつらくないか?とも思うし、叔母の方も何気なく装っているけれど、自分の目を視えなくした姪との関係に悩んでやしないか、とか。結論から言うと、二人ともおかしいので問題ない…のか?

 

四章は全ての章の総まとめといった感じでした。楽しいこと、苦いことがあり、その経験を経て、それ以降の彼女たちがある。シーズンオフの海辺でいちゃつく百合カップルたちの様子は、何はともあれよかったなあと思わせてくれます。

何だかんだ、幸せなことが一番です。

 

というわけでいかがでしたでしょうか?おすすめの人は、入間人間先生のファンであるとか百合系の物語が好き、とか。そんなところだと思います。

 

もし、興味がある、という人がいましたら、下のAmazonリンクから是非、購入してみてください。

 

それではまた、次回お会いしましょう。さよなら。

少女妄想中。 (メディアワークス文庫)


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