みなさま、ごきげんよう。プラスアルファです。今回は少し古いアニメをご紹介したいと思います
というわけで今回ご紹介するのは、 2009年7月から10月にかけて放送されたテレビアニメ『大正野球娘。』です。
原作は神楽坂淳先生。監督は池端隆史。残念ながら僕はテレビアニメシリーズしか視聴していないのですが、小説、漫画、ドラマCDなど、多くのメディアミックス作品が生み出されているようなので、機会があればそちらもぜひ手に取ってみたいと思います。
大正時代、9人の女の子で野球をやる、というコンセプトで作られた本作。2019年6月に放送された『八月のシンデレラナイン』を彷彿とさせる内容です。けれども、ハチナイと違うところは彼女たちは大正乙女であり、戦う相手は同じ女子ではなく(というか女子野球なんて言葉すらない)男子だという点です。時代の特色に合わせた言葉使いや文化など、見所はたくさんあります。大正乙女たちの可憐さはもちろん見所ではありますがが、一番はやはり時代と戦う部分だと思います。
なぜ野球をやろうと思ったのか。
なぜ野球なのか。そう思われた方も多いと思います。
理由については、作中でちらりと触れられました。
小笠原晶子が出席したパーティで許嫁の岩崎荘介から言われたこれからの時代の女性についての在り方でした。
大正時代、女性の社会進出が少しずつ進んで行く中で、荘介はやはり女性は家庭に入って子育てと家を守る事に専念するべきだと言うのです。これに反発した晶子は女だてらに荘介に一泡吹かせてやろうと決心します。そこで、彼が行っている野球で彼を打ち負かす事を決意するのでした。
こうして野球をする事を決心した晶子でした。同じ女学院に通う同級生、鈴川小梅に一緒に野球をやってくれないかと誘いをかけます。
さて、半ば強引にメンバーにされた小梅でしたが、それでも存外乗り気の様子で、他のメンバー集めに奔走します。次第に、最初は晶子と小梅の二人だけだったのが、9人になるのでした。
頼れる参謀と野球について詳しい人。
晶子、小梅と続いて仲間に加わったのは櫻花會(おうかかい/優れた西欧文化を吸収する「欧化」とかけられている。当時は女子が表立って野球をする事が認められなかったため、このような建前が必要だった。)の参謀役、川島乃枝。
彼女はチーム内でも随一の秀才であり、チームメンバーや対戦相手の様子をよく観察し、それを練習においても見事に役立てている。また、作戦立案や新しいメンバーの勧誘の時など、その類まれな頭脳を生かして交渉をしたりしている。僕が好きなエピソードとしては、小梅が映画に出演するとなった回で、映画監督に小梅に映画に出るよう交渉する材料として、目下の敵、朝香中学の様子を映像で記録してもらうシーン。監督に言い寄られ、赤面するところは、普段は強かな乃枝とはいえ、年相応のお嬢様といった様子だった。
さて、次にメンバーに加わるのはみなさん大好き能登…じゃなかった。一見するとおっとりした感じの級長、宗谷雪。
最初からチームに加わるつもりだったらしく、率先して道具を持ってきてくれたり、野球について教えてくれたりと目立たないながらもしかすると一番貢献した人物かもしれない。グローブやバッドのみならず、ユニフォームまで持ってきてくれたのだから、もはや勝利の女神と言っても過言ではないのかもしれない。彼女がいなければ、小梅たち櫻香會は試合すらまともにできなかっただろう。アンナ先生を連れてきてくれたのも彼女だし。
実家は呉服屋を営んでおり、西欧文化の流入に従って洋装も取り入れるなど、柔軟に時代に合わせて変化できるようだ。子供の頃に男の子に交じって野球をやった事があるというのだから、意外だ。もしかすると、チーム内で一番やる気があるのかもしれない。
元気で明るいムードメーカー、月映巴 。しっかり者の月映静。
双子の姉妹。姉は巴の方で、静が妹。姉はどちらかというと男勝りな性格で武道に秀でており、運動神経は抜群。櫻香會でも四番を務めるなど、強打者としての地位を確立している。一方、静はしっかりと地に足を着けた性格で、それはプレイにも表れている。巴はどちらかというと男のようだが、静は女の子、というよりも小姑といった感が強い。それは巴がかなりおおざっぱな性格のせいなのだが、それはおいておいて。
巴は三塁手。静は一塁手を任じられている。
ホームランに憧れて大振りばかりする巴に呆れ気味。
そして下級生の女の子、桜見 鏡子(さくらみ きょうこ)。巴に憧れ、お姉さまと慕う後背女子です。もちろん、野球なんてやった事がなく、完全ド素人。それどころかスポーツ経験も浅く、運動神経に関しては巴の足下にも及びません。
ですが、持ち前の明るさと巴への憧れからくる根性を発揮して、チームにはなくてはならない存在になります。
途中でくじけそうになりながら、それでもあきらめずに続ける姿は素晴らしいの一言でしょう。
守備位置は左翼手を務めています。
菊坂 胡蝶(きくさか こちょう)
元陸上部の下級生。鏡子と同じ学年で中堅手。陸上で鍛えた持ち前の俊足を生かして活躍。チーム内でも一目置かれる存在です。
チームに入る前は陸上の単距離選手をしていたのですが、なかなか思うようにタイムが伸びず、自信を失っていく毎日でした。そんなある日、乃枝に誘われたことをきっかけに櫻花會に入り、野球を通じて自身と明るさを取り戻していくのでした。チーム内では個人的に一番応援したくなる人物です。
アンナ・カートランド
櫻花會の顧問兼監督。アメリカ人で、小梅たちの通う女学校の教師。作中ではあまり活躍らしい活躍はないが、縁の下の力持ち的な存在。
以上のメンバーで男子チームと野球の試合をするべく猛特訓に励む乙女たちの雄姿をぜひご覧あれ。
ここまで本当にざっくりと紹介してきました。もし、気になった方がいましたらぜひご覧ください。それではまたっ。